安心して墓じまいしたい。先の事を考えると今、やっておきたいけれど不安や心配が大きいので動けない。いろんな状況で墓じまいを迷っている方がいらっしゃると思います。
安心して墓じまいするには
安心して墓じまいをするために、一番大切で、重要だと思うことは
しっかりとしたコミュニケーションで、親族間の了承を得る
ということです。お墓を移動することが当家だけではなく、親兄弟やいとこまで全体に影響があることだからですね。
親族間での墓じまい同意を得るには、一度皆で話し合う場を設けることがトラブル回避につながります。目上の方もご存命なら、とてもデリケートな話になるので
- 自分だけで話を進めず
- 間に入ってもらって
- そのためにかかった費用は出し
- 自分を責めすぎない
ことが大切になってくるかなと思っています。親世代は高齢の人が多く、少し話すだけでも相手方が怒ってしまい、話し合いが難航します。しかし身内であり血がつながっているので、何度も話し合いを重ねる努力をすることで、最終的にはお互い歩み寄れる可能性は高いです。
個人的には、親族間の話し合いを面倒だと思うくらいなら、墓じまいはもう少しあとから考えるべき案件なのだと思います。周りとの話し合いすらできない、自分の実力を知るいい機会でもあります。無理をしないこと。無理してごり押しするならやらない方がマシです。
時間をかける手間暇と、相手方を思いやる努力が必要な作業が墓じまいなのです。
墓じまいの不安と心配
さて、根気よく墓じまいを周りに了承してもらい、実際の行動に入ることになりました。
よく出る墓じまいへの不安と心配は
- 手続きが面倒ではないか
- 離檀でお寺とトラブルになるのではないか
- お骨はどうするのか
など、墓じまいをすることが決まった後でも、やらなければいけないことがたくさんあるので、気力体力の勝負です。がんばりましょう。
お墓じまいの手続き
- 埋葬証明書・受け入れ証明書・改葬許可申請書を記入
- 市役所で改葬許可を受ける
- 石材店に墓石処分と土地馴らしを頼む
- 骨壺変更やお骨をお手入れする
- 新しい墓地へ移動
という大まかな流れです。埋蔵証明書は墓地や寺などから取得、受け入れ証明書は受け入れ先の墓地から入手、それを添えて役場にある改葬申請書を記入します。
後は石塔を取り払い、土地を更地にし、お骨を新しいお墓に移動することになります。
離檀トラブル
離檀することは、先祖代々お世話になったお寺さんとのご縁が亡くなってしまいます。丁寧なお礼と、気持ちの謝礼金としてお渡しする習慣があるようです。
誠意をもってお寺さんとお話すれば、きっと理解してくださると思います。日頃からお寺さんとのお付き合いを密にして、どうすればよいか前もって相談しておくのも一つの方法だと思っています。
要するに。お互いへの思いやりと気配りでその後が違ってくるんですね。
不安と心配を解消できるのか
やってみるとやれないことはないと言われる墓じまい。
実行するまでの話し合いと調整には時間がかかります。特に仲の良い親戚付き合いをしてきたほど、口をはさみたくなるものです。
年配の方にもいろんなタイプがいますが、男性で多いのは「~するのはもってのほか」「常識では考えられない」など、全く話を聞いてくださらない場合。困りますね。
でも、そんな方でも決して間違っていることを主張しているわけではありません。高齢になると短気になる方も多いので、脳の老化からの発言かもしれません。
いたわりの心を持ちながら、余裕を持って話し合いしを続けること。それが高齢の方をを尊重していることにつながります。
良い墓じまいをするために
いろいろな墓じまいトラブルを見てきて思うのですが、みんなの心を一つにして、理解しあっての墓じまいこそ、成功だと思うんですね。
ケンカしながらも本音でぶつかり、でもやらなければいけないことだという共通認識が得られたら、親族間のわだかまりも消えていきます。上下関係や物事の進め方、一致団結する方法など、社会人として学ぶべきことが、墓じまいにはあるのですね。
墓じまいをすることは自分の社会人としてのスキルを磨くチャンスです。交渉術、目標達成など、自分の力を出し切ると、良い墓じまいにつながると思います。